CapitaLand Commercial Trust 2015年3月末時点の業況考察

2015年3月末時点の業況 について、二社目はオフィスビスREITの大手、CapitaLand Commercial Trust です。

2015年3月末時点でキーとなる数字は以下の通りです。

発行済株式数 2,946,694千株
株式時価総額 5,200.92百万シンガポールドル
NAV 1.726216
ギアリング 29.9%
直近一年間のDPU 0.0846シンガポールドル

2015年3月末時点で一株1.765シンガポールドルの終値だったCapitaLand Commercial Trust ですが、この3か月で大きく値を下げ、一時は1.500シンガポールドルまで売り込まれました。その後いったん下げ止まり、本日2015年6月26日終値は1.560シンガポールドルとなっています。この値下がりはCapitaLand Commercial Trust だけでなく、他のオフィスビル投資REIT であるSuntec REIT やKeppel REIT にも起こっており、原因として、シンガポールに2016年完成予定のオフィスビル2プロジェクトなどによる供給過剰懸念が考えられます。2プロジェクトの一つはTanjong Pagarエリアに2016年第3四半期に完成予定のGuoco Tower (NLA – 850,000平方フィート)、もう一つは2016年第4四半期完成予定のMarina One (NLA 1,876,000平方フィート)です。2015年に入ってからシンガポールにおける高品質オフィスの主要テナントである国際的な大手金融機関がリストラを進めており、需要後退が明らかになっていることに加えて、この新規供給による賃料値崩れが懸念されているのです。このため、不動産リサーチ各社(Knight Frank・Savills・JLLなど)によると「2015年いっぱい、オフィスビル市場には逆風が吹く続けるであろう」との予想が主流になっています。

これを踏まえるとCapitaLand Commercial Trust の株価も引き続き逆風にさらされる傾向が続くと考えられますが、一方で今後世界景気が回復してシンガポールでの業容を拡大したいコングロマリットが増えてきたときに高品質オフィススペースを提供できる企業は限られており、長期的な観点で投資先を選定する投資家にとっては下値拾いのチャンスが続くということになるのではないでしょうか。なお、本日終値の1.560シンガポールドルでもP/B レシオは0.904倍となっており、割安感がありますが、過去一年の配当総額から計算した利回りは5.42%であり、配当受取目的の投資家からすると妙味に欠ける水準のように思われます。

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