海外銀行口座開設上の注意

昨日は海外に銀行口座を開設するメリットをブログに記載いたしました。私の意見としては「海外先進国に所在する銀行で」「インターネットバンキングができ」「クレジットカードの発行ができる」銀行に口座開設するというものでしたが、一般的に「海外預金口座開設」というと、いくつか注意事項もありますのでメモを残しておきます。

 

1. 現地通貨の金利が高いのはその国のインフレ率が高いため

多くの発展途上国で年利5%以上の定期預金金利を提示している銀行があります。私がときどき訪問している国ですと、例えばベトナムの大手銀行BIDV (Bank for Investment and Development of Vietnam)では2015年7月10日現在で1年物のベトナムドン建定期預金金利が6.5%となっています。また、私は訪問したことがありませんが、インターネットで時々取り上げられているモンゴルのKhan Bank では2015年7月10日現在で1年物のモンゴルトゥグルグ建定期預金金利が15.1%となっています。預金金利が0.1%にも満たない日本円の世界から見ると高金利が魅力的に見えるかもしれませんが、その国において消費者物価上昇率が大きいのであれば実質金利はさほど高くないと言えます。信頼できる情報として日本貿易振興機構(JETRO)がまとめたベトナムの2013年時点概要をみます(https://www.jetro.go.jp/world/asia/vn/basic_01.html)と、同国のGDP実質成長率が5.4%、消費者物価上昇率は6.6%となっております。たとえ1年物定期預金で金利が6.5%ついたとしても物価上昇が6.6%であるなら、実質金利は-0.1%ということになります。

 

2. 外国通貨の金利が高いのはその国のカントリーリスクやその銀行の信用リスクが高いため

米ドル建定期預金金利が高い銀行もあります。インターネットで有名になっているところとしては、アゼルバイジャンにあるThe International Bank of Azerbaijan (アゼルバイジャン国際銀行)のホームページを見ますと2015年7月10日現在の1年物米ドル定期預金は8.0%の金利になっていますし、先ほどのモンゴルにあるKhan Bank では1年物米ドル定期預金に6.6%の金利が付くようです。また、一部の日本人の中ではカンボジアにある銀行で米ドル預金というのも話題になっているようで、例えばPhnom Penh Commercial Bank のホームページを見ますと2015年7月10日現在の1年物米ドル定期預金は6.0%の金利になっています。一方日本の三菱東京UFJ銀行で1年物米ドル定期預金を行うと金利が0.1%とのことですから、その差は大きいです。アゼルバイジャンやモンゴルについては「豊富な天然資源があり、今後開発が進むにつれて急速な経済発展が見込まれる」などとささやかれていることもあるようですが、天然資源埋蔵量が大きければ経済が発展して安定した国内状況が続くかといえば必ずしもそうではないことは多くのアフリカ、中南米、中東各国をみれば一目瞭然です。もちろん順調にいく可能性も極度に低いわけではないでしょうから、自己責任の範囲で運用する人がいても良いと思いますが、高金利というだけで飛びつくのはおすすめできません。

 

3. 口座開設代行業者は危険

平成24年4月6日付で金融庁が注意喚起をおこなっております(http://www.fsa.go.jp/news/23/ginkou/20120406-1.html)が、インターネット上ではいまだに「海外銀行への口座開設代行」をうたう業者が存在しますが、現金の持ち逃げ等のトラブルも多そうです。そもそも、近年では各国の銀行でアンチ・マネーロンダリングやテロリストフィナンシング防止の観点から本人確認手続きを徹底しており、口座開設に際しては本人確認書類の提示、場合によっては財産状況の提示(他行における残高証明等)等を求められることもあります。第三者である口座代行業者にそのような個人情報を渡すこと自体が危険なうえに、もしインターネットバンキングを行うためのパスワードなどを代行業者が知れれば、口座所有者に成りすました代行業者が勝手に送金等を行ってしまう可能性も否定できません。

 

幸いなことに今は日本人の多くが年に数回も海外旅行に行けるくらいの財力を持っています。前述したアンチ・マネーロンダリングの観点から非居住者の銀行口座開設を認めない国も増えていますが、観光に合わせて非居住者でも口座開設が可能な先進国で「自力」で銀行口座を開設するのが良いかと思います。

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